さて、四国村ギャラリーでは4月28日(土)から、春の企画展の開催予定をしております。
今回のテーマは、「かえる」です!
四国民家博物館は2008年に、日本文学研究家エドワード・G・サイデンステッカー(1921-2007)のカエルコレクションを寄贈していただいています。
サイデンステッカーは、谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫など日本近代文学の名作の数々を英訳して世界に紹介しました。
特に川端康成のノーベル文学賞受賞に寄与し、川端自身が「ノーベル賞の半分はサイデンステッカー教授のもの」と、その功績をたたえています。
ドナルド・キーンとも親交があり、同僚としてコロンビア大学で教壇に立っていた時は、
春学期をキーンが、秋学期をサイデンステッカーが授業を担当していました。
サイデンステッカーは日本の小さな雨蛙と出会ったときに蛙を好きになり、
日本の骨董屋で江戸時代の煙草の根付のカエルを購入したことをきっかけに、
カエルの収集を始めます。
アメリカと日本を行き来する生活の中で、両方の家の書斎を埋めつくさんばかりにカエルのコレクションが増えていったそうです。
サイデンステッカーが集めたカエルのうちの東京の書斎にあった分の500点以上が当館に寄贈されており、
今回の展覧会ではそれらの中から、逸品、珍品を選りすぐって展示するとともに、
サイデンステッカー氏の業績や文学者との交流を紹介していきます。
サイデンさんのカエルたちと共に、川端康成や谷崎潤一郎からの書簡、
ノーベル賞受賞記念講演「美しい日本の私」英訳原稿、
川端や谷崎からサイデンステッカーへ贈られた永井荷風の俳画や書なども展示する予定です。
この機会にぜひご覧になってください。
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