四国村とは
四国村は香川県の屋島山麓の広大な敷地に広がっています。村の核になっているのが四国四県から33棟の建物を移築復元した野外博物館・四国村ミウゼアムです。移築されているのは、江戸時代から大正時代に建てられた 住宅や作業小屋、寄合い所、芝居小屋、米倉、醤油醸造所などで、いずれも実際に人が住み、使ってきたものです。家々の柱や梁、またそこに展示されている多くの民具には、人々の知恵や労苦、祈りが染み込んでいます。四季折々の豊かな自然を感じながら散策すると、鳥の声や滝の音に癒され、また現代人が失ってしまった何かにふと気づくかも知れません。「幸せとは何か」を考えるきっかけにもなるでしょう。
ほかにも安藤忠雄氏設計の「四国村ギャラリー」や、古民家を改築したうどん店「四国村わら家」、神戸の異人館だった「四国村カフェ」など、多様な魅力を持つスポットが点在しています。
四国村ヒストリー
  • 昭和50年(1975)わら家開業
    カトーレック㈱の創業者である加藤達雄が屋島の麓に社員の第二の職場として、うどん店「わら家」を開業し、店の建屋として徳島県祖谷地方の古民家を移築しました。その際、加藤は古民家の美しさに魅了されるとともに、滅びゆく貴重な建築物の保存を考え、民家の収集を始めました。
  • 昭和51年(1976)民家博物館開村
    加藤達雄の思いに賛同した隣地の所有者から無償で土地の提供を受け、博物館を設立。
    約 51,000 m²の敷地に16棟の建物を移築復元して四国村が開村しました。
    10月3日の開村式では、彫刻家・流政之の石仏に瀬戸内寂聴が入魂する開眼供養が行われるとともに、香川県出身の画家・猪熊弦一郎や民家研究の第一人者・伊藤ていじらが祝辞を述べました。
  • 平成8年(1996)篝火歌舞伎
    開村20周年を記念して、小豆島の歌舞伎舞台にて歌舞伎が演じられました。篝火を焚く夏の夜、「平家蟹」など源平に因んだ演目を、沢村藤十郎らの役者が演じました。歌舞伎公演は平成10年まで続けられ、中村梅玉、市川染五郎(現・松本幸四郎)なども出演しました。
  • 平成10年(1998)灯台退息所エリア完成
    開村後も建物は少しずつ増えましたが、この年灯台の退息所が移築復元されました。
    明治以降、日本の近代化に大きく貢献した瀬戸内海航路をを照らし続けた灯台の職員の事務所兼住宅が退息所です。これにより、建築物の移築はほぼ終わり、四国村ミウゼアムの現在の姿が整いました。
  • 平成14年(2002)四国村ギャラリー完成
    建築家・安藤忠雄氏設計の、コンクリート打ち放しのソリッドでモダンなギャラリーが完成しました。フランス絵画、中国の金銅仏などの美術品を展示しています。古民家と現代建築とのコントラストも四国村の新たな魅力になりました。
  • 平成21年(2011)公益財団法人認定
    高い次元の公益に資することを目的として公益財団法人に認定されました。
  • 平成31年/令和元年(2019)瀬戸内国際芸術祭2019
    2010年から3年ごとに開催されてきたアートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」のためのアート作品が初めて村内に展示されました。また、四国村ギャラリーでは猪熊弦一郎展が催され、芸術祭と連動した様々なイベントに国内外から多くの来訪者がありました。
  • 令和4年(2022)リニューアルオープン、「おやねさん」竣工
    ミウゼアム入り口に、東大准教授・川添善行氏設計のエントランス建物「おやねさん」が完成しました。併せて、四国の先人の暮らしを伝える解説映像や音声ガイドを製作。より国際化、多様化する時代に対応すべくホームページ、ロゴも一新しました。