国指定重要文化財「旧河野家住宅」のかやぶき屋根修復工事見学会を実施しました

四国村ミウゼアムでは令和6年度の事業として、文化庁・香川県・高松市から補助金をいただき、国指定重要文化財旧河野家住宅の屋根修復と土壁等の修復に取り組んでいます。

2月15日(土)には、屋根修復工事のようすをみなさんにご覧いただく見学会を実施しましたので、その様子を報告いたします。

見学会は、午前中は地元屋島小学校の児童と保護者のみなさんを対象に、午後の部は一般募集で応募していただいた方々を対象に行いました。

 

当日は晴天に恵まれ、午前の部では19家族51人の方々に参加していただきました。

そのうち26人が小学生以下のお子さんでした。

子どもたち向けの見学会では、かやぶきに使用する道具の説明を地上で聞くグループと、足場に上がって実際に屋根修復作業を見学するグループに分かれました。

 

河野家のかやぶき屋根修復では、20代の若手職人3人が参加していますが、その一人津村祥平さん(26)が、道具について説明をしてくださいました。

 

津村さんのお話では、かやぶきに使う刃物を作る鍛冶屋さんの数が年々減ってきており、道具は手入れをして大切に使っているそうです。屋根の形を整えるための木工具類は、職人たちが自分の体力や使いやすさにあわせて、手作りするとも話していらっしゃいました。

 

文化財を守っていくための職人たちの育成や技術の継承がよく話題になりますが、その人たちが使う道具を作る職人たちの育成・継承も大切なことを学びました。

 

子どもたちはふだんなじみのない道具を見て次々と質問したり、実際に触って重さを実感したりして興味深く話を聞いていました。

 

見学会には香川県教育委員会文化財専門員の石田真弥さんが応援で参加してくださいました。

香川県にはどのくらいかやぶき屋根の家が残っていると思う?という石田さんからの質問に、子どもたちからいろいろな回答が出ましたが、石田さんからは県内全域でおそらく3,000棟近くのかやぶきの家が残っているけれど、それは香川県が災害が少なく安全で住みやすい場所だからという解説があると、子どもたちはあらためて自分たちの住んでいる地域に対する理解を深めたようすでした。

午後の部の参加者は21人でしたが、設計や建築に関心のある方々にたくさん参加していただきました。

今回の職人さんの中で一番のベテランである山中さんに差し茅を実演していただいたり、切断面の整え方などを教えていただいたりして、活発な質疑応答を繰り広げていました。

参加していただいた方たちからは、以下のような感想をいただきました。

 

*ふだんみることのできない貴重な体験ができました。こどもたちも質問をたくさんしていて、 興味関心の高さを感じました。娘は小2 で、茅葺き屋根の中をみることができたことがとても印象に残ったようです。

 

*職人さんの実演では、ていねいに説明していただいたり、子どもにも触らせてくださったりと、ぜいたくな体験ができたのが非常に良かったです。我が子に感想を聞いたら、それが一番楽しかったと言うことでした。道具を使って体験させてもらい、職人さんが簡単そうにしてたのにすごく難しかったし道具も重たかったと、イキイキと話してくれました。

 

*今後も屋根だけでなく、土壁、左官等々失われつつある職人技の現場を紹介していただく機会があればと思います

 

 

今回の見学会に参加していただきましたみなさんには、改めてお礼を申し上げます。

今後もこのような見学会を企画していきたいと思います。

 

 

 

 

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