本山ひろ子「装う神様」のご案内

瀬戸内国際芸術祭2025春会期が4月18日(金)から始まりました。

四国村ミウゼアムでは、ギャラリーで開催している「猪熊弦一郎 Form, People, Living 身の回りにある、秘密と美しさ」展に加えて、鋳金家・本山ひろ子さんの作品を展示しています。

 

「装う神様」というテーマで作られた4つの作品には、動物に姿を変えて四国村に居ついた神様の姿とともに、その場所に居つくことになった理由が「むかしむかしのおはなし」として添えられています。

身近なところのあちらこちらに神様がいると思われていた時代を思い起こしていただきながら、愛らしい動物の姿とともに、それらの神様が四国村に居つくことになった由来をお楽しみください。

 

 

✿ご隠居猿

中石家隠居屋の縁側

ご隠居猿
むかしむかしのおはなし
瀬戸内海に猿がたくさんいる島がありました。
そこでは誰がお山の大将になるかと毎日競争が起きていました。
その陰で、闘いに疲れて引退を決意した三匹の猿がおり、どこか別の山で静かに暮らしたいねと話しておりました。
ある日、そのうちの一匹が遠くに屋根のようなお山がある島を見つけました。しかし、 その前には大きな海があります。お猿は意を決して海に飛び込みました。穏やかな海にぷかぷか浮かびながら、その島に流れつきました。そこには素敵なお家がたくさんあって、 みんな楽しそうにしています。
四国村の縁側でのんびり日向ぼっこしてる猿がいたら、瀬戸内海を泳いで渡った猿かもしれません。
二〇二二年 四国村

 

 

✿雨降使(アメフラシ)

竹林の道から灯台エリアに至る途中

雨降使(アメフラシ)

むかしむかしのおはなし
讃岐国は雨が降らず人々は日々、水不足でこまっておりました。それを見ていた神さまは日本中のアメフラシを集めてこう言いました。「讃岐国に雨が降るように、どうにかしておくれ」アメフラシたちは毎日天にお祈りをしました。そのおかげで讃岐国はたくさんの雨が降るようになりました。

すると今度は雨が止まないので、とうとう洪水がおきてしまいました。

雨を降らせることは得意だけど、止めることはできません。アメフラシたちはしょぼしょぼと海に戻っていきました。

それからというもの、アメフラシは日照りが続くと屋島に登り、雨が降ったら海に戻ることにしたのです。海岸近くにアメフラシがいるのは、すぐに雨乞いを始められるようにしているからと言われています。

 

 

✿うどん狐

流れ坂を上って常夜燈のふもと

うどん狐

むかしむかしのおはなし
四国村には、うどんが好きなキツネがおりました。
お揚げが好きなキツネじゃなくて、うどんが好きなキツネでした。キツネの姿ではお店に入れてもらえないので、いつも見ている受付のお姉さんに化けてうどん屋さんの暖簾(のれん)をくぐります。けれどうどん屋さんにはお見通し。だってお姉さんのお尻にシッポがついているのです。

キツネは考えました。いつもお姉さんの姿に化けているけれど、いろいろな人の姿に化ければきっと気がつかないかもしれない。

芸術祭になるとたくさんの人がやってきます。
さてさてどの人に化けようか。

今日もキツネは来る人をじっと観察しているのです。うどん屋さんの入り口で鼻をクンクンさせている人がいたら、それはうどん狐かもしれません。

 

✿なでうさぎ

石畳広場

なでうさぎ

むかしむかしのおはなし

四国村にはひとりぼっちのうさぎが住んでおりました。毎日会うのはミミズとイノシシくらい。

ある日穴から出てお花畑でモグモグしていると、見たこともない大きな生き物に会いました。指先が五本に分かれていて、二本足で立っています。何より驚いたのは体に毛が生えていないのです。

すると、五本に分かれた指がうさぎに近づいてきました。怖くなったうさぎは目をギュッとつむってじっとしていました。

なんてことでしょう。大きな生き物はうさぎの背中を優しく撫でたのです。しばらく撫でた後、大きな生き物は出雲国に行ってしまいました。うさぎがそっと目を開けると、そこには誰もいません。うさぎはもう一度撫でてもらいたくなっちゃって、四国村中を探しました。

それからというもの、うさぎは穴から飛び出して、四国村の一番目立つところで、撫でてもらうのを待っているそうです。

 

本山ひろ子さんの作家プロフィールにつきましてはこちらをご覧ください。(四国村のサイトを離れます)

 

 

それぞれの作品の展示場所は、下のマップを参考にしてください。

 

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