八朔飾り始めました
丸亀藩斥候番所で「八朔飾り」の展示を始めました。
八朔とは旧暦八月一日のことで、現代の暦では8月末から9月がその時期に該当し、今年は9月3日(月)が八朔にあたります。
稲穂が実り始める時期にあわせて、各地で「豊作祈願」の行事が行われたのが、今に続く八朔行事の起源となっています。
日本各地では、八朔踊りを踊ったり、餅をついたり、生姜節供といってショウガを持たせて嫁に里帰りさせたりと、さまざまな八朔行事が行われてきましたが、香川県の一部では男児の健やかな成長を祈り、その地方で獲れた米の粉で「八朔だんご馬」を作る風習があります。



「だんご馬」は文字通り、団子で作られた馬飾りです。
1~2斗の米粉で馬の体を作り、華やかな馬具で飾りつけたもので、節句が終わると団子の部分を割って、近所の人たちに振舞うという風習があることから「馬節句(ウマゼック)」とも呼ばれています。
✿四国村のだんご馬はレプリカで、中に団子は入っていません
香川県善通寺市のホームページでは、だんご馬の由来や作り方について詳しく紹介しています。
こちらをご覧ください。(四国村のホームページを離れます)






こちらは「だんご馬」の骨組みで、この骨組みに米でできただんごで肉付けをしていったそうです。

だんご馬のわきを固めるのは、張子の虎です。
端午の節句飾りの時にもお伝えしましたが、張子の虎は中国の虎王崇拝が日本に伝わって作られるようになったといわれています。虎には「千里を走る」と言われるように勇猛なイメージがある一方で親子の情愛がきわめて深いことから、「剛」と「柔」を持ち合わせた動物と言われています。その虎にあやかって、子どもの健やかな成長を祈る気持ちから、端午の節句や八朔祭の飾り物として、張り子の虎が飾られるようになりました。
ピンと張ったヒゲやゆらゆらと揺れる振子式の首などユーモラスなその姿は、郷土玩具や誕生祝い、商売繁盛の縁起物としても喜ばれており、香川県では三豊市の特産品として知られています。





八朔のさまざまな行事には、台風の被害にあわずに作物が無事に実るようにとの人々の切実な願いが込められていました。
また、八月一日は徳川家康の江戸入府の日とされることから、武家の社会ではもっとも重んじられていた行事の一つだったようです。
八朔飾りを飾る家は近年では減ってきているようですが、八朔祭りや八朔飾りを機に、当時の人々の思いや日本の歩んできた歴史に思いを馳せてはいかがでしょうか。
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