四国村の雛飾り2025 *展示は2月8日(土)~3月19日(水)です

毎年たくさんの方にお楽しみいただいている「四国村の雛飾り」。

2025年は2月8日(土)~3月19日(水)の期間で展示します。

 

四国村ミウゼアムに展示している雛飾りは、主に香川県内の一般家庭から寄贈していただいたものです。現在約70組を収蔵していますが、その主なものは昭和40年代に購入された5段~7段飾りのものです。数は多くありませんが、貴重なものとして昭和初期に流行した御殿飾り(ごてんかざり)と呼ばれるものが含まれています。

 

 

✿桃の節句と御殿飾り

桃の節句に雛飾りが楽しまれるようになったのは江戸時代になってからと言われています。初めのころは 毛氈の上に屏風を立て、紙雛や内裏雛を並べた“ 屏風飾り ”や“ 親王飾り ”と呼ばれる簡素なものが一般的でした。しかし江戸時代も後期になると、東日本では「段飾り」が発展する一方、西日本で盛んになったのが「御殿飾り」です。京都御所や紫宸殿を模した雛飾りのことで、江戸時代後期から昭和にかけて作られました。華やかな貴族の生活を表現した雛飾りで、豪華な印象をあたえます。

特に、第一次世界大戦後の好景気に沸く京阪神地方では、裕福な家庭に檜皮葺きの華麗な御殿飾りが登場し、木工、金工、漆工、象嵌、造花、刺繍など、様々な美術工芸の粋を集めた一式も作られたそうです。また昭和の戦後復興期には、屋根にしゃちほこや千木(ちぎ)を乗せたにぎやかな御殿飾りが登場し、暮らしの豊かさを求める人々に夢を与えたといいます。

 

*ショップに展示している御殿飾り

 

御殿飾りは、繊細に作られた細かい木製のパーツを丹念に組み上げていきます。パーツの数が多く、狭いところに手を入れての作業は、時には息を止めてパーツをはめ込むような集中が必要になります。

御殿飾りは豪華なお飾りが桃の節句の雰囲気をいっそう華やかにしてくれるのですが、一方で複雑なつくりのため家庭での取り扱いが難しく、収納が不便であることなどを理由に徐々に衰退していきました。いまでは四国村のような博物館施設や、一部の展示だけで見ることができるような状況です。

 

✿今年の雛飾りは、御殿飾りを中心に構成しています

パステルカラーをメインカラーとして、フレッシュな感じに仕上げた昨年のひな飾りとはがらりと趣を変えて、今年の展示は御殿飾りを中心に構成しています。全体的に色味を落とし、赤、紫をメインとしたシックな色合いとなりました。

「大人なイメージを心掛けました」と担当者は話します。

 

今の時代ではたいへん貴重になった御殿飾りの魅力を、村内の飾りつけすべてを1人で行った担当者の熱意に思いを馳せながら、お楽しみいただければと思います。

 

 

✿メイン展示場所
小豆島農村歌舞伎舞台…7段飾り2組・8段飾り2組・御殿飾り5組

 

 

✿山下家住宅…御殿飾り1組

 

 

✿下木家住宅…御殿飾り1組

 

 

✿鍋島灯台退息所…1組

 

 

 

✿久米通賢旧宅…御殿飾り1組・親王2組・掛け軸雛1

 

久米通賢旧宅では、お雛様気分で記念写真がお撮りいただけるよう顔出しパネルもご用意しています。

 

 

✿前田家土蔵…紙雛1組・掛け軸雛1

 

 

✿丸亀藩斥候番所・・・親王1組

これらのほかにも、中石家住宅の主家・隠居屋に雛飾りを展示しています。

古いものなので、パーツが足らなかったり、傷んでいたりしますが、それぞれのご家庭で愛でられた証でもあります。

時代の移り変わりをお楽しみいただけたらと思います。

 

 

 

 

 

 

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